作曲家・三枝隆のブログ

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2台ピアノ「亀郎の海中散歩」

2台ピアノ「亀郎の海中散歩」
2台ピアノ「亀郎の海中散歩」 posted by (C)musica-due

 

2台ピアノ「6匹の亀のための組曲」より。

 

発表会・ステージ用。ブルグミュラー-ソナチネレベル。

 

ブクブクっていう泡のような感じで、スーパーマリオの海ステージのような穏やかな3拍子の曲を書きたい。そういうアイディアだけはかなり早い段階から出ていたものの、中間部に詰まって途中で投げ出しそうになりました。アイディア段階では曲集の最後を飾る派手な曲にするべく激しいコーダになる予定でしたが、救いがほしいと思い穏やかなエンディングを迎える形になっています。

 

演奏のヒント

 

曲集の中でもフィナーレ用に書いたために11ページと大作になっています。長さにめげないように。

 

3小節からのテーマ。1stは旋律を浮き立たせるように。

 

19小節-。泡がブクブクって海面に浮き上がるような感じで。

 

34-35小節。スタッカートからテヌートに移り変わるのを、聞いている人がはっきりとわかるように。

 

36-42小節。旋律を受け持つのが2ndになります。1stは引き立て役になりますが、適当に弾かないように。色っぽく弾いて下さい。

 

44小節-。テーマの再現。はじめに出たときよりも気持ち軽く弾くと良いでしょう。1st右手でさざ波を表現して下さい。

 

56-57小節。コーダに入るための準備部分。sotto voceはひそやかな声での意味、元々は声楽用語。espressivo(表情を豊かに)も付いているので雰囲気をよく出して下さい。

 

62-65小節。1stのソロ。自分のペースで、堂々と弾くこと。

 

68-73小節。1stのカデンツァ。[ゆっくり-加速-一定速度-減速]で周期を考えると良い演奏になるでしょう。トリルは焦らないように。拍を気にせずにH音で帳尻を合わせるようにするとうまく収まると思います。

 

72小節-。十分に加速してAllegroを導いて下さい。

 

85-88小節。88小節のE音に向けて加速しながら頂点を築くようにすると格好良くなります。その際、85小節の頭で少し減速してから入ること。頂点を築いたら、緩やかに減速し、87小節からブレーキをかけてください。エンジンブレーキ、ブレーキみたいなイメージで。

 

89小節-。テーマを思い出させるようなメロディーから、徐々にテンポを落とし、ゆっくりとしたエンディングを導いて下さい。心に平穏をもたらすような穏やかな波、そんなイメージで曲を閉じられるように。

 

↑2台ピアノ「6匹の亀のための組曲」より「亀郎の海中散歩」

 

尚、この音源は浄書ソフトフィナーレからの再生のため、テンポ、ダイナミクス等はかなりいい加減なものにっています。ご了承下さい。

 

三枝隆:2台ピアノ 6匹の亀のための組曲

三枝隆:2台ピアノ 6匹の亀のための組曲

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